小学校2校と小中一貫校1校を兼務している、現役の学校司書です。
かれこれ10年以上勤務していますが、それぞれの学校で、どうすれば使いやすい図書館になるのか、行きたくなる図書館になるのか、試行錯誤しながら業務にあたっています。
このブログでは学校司書になりたい方に向けて、学校司書の仕事内容や現状、魅力について詳しくお伝えします。
学校司書の魅力とは?
学校司書の何が良いの?と聞かれて真っ先に浮かんだのは、「本に囲まれている環境が好き」でした。
本が好きであることは当然なのですが、本がある環境で仕事ができることが一番の魅力です。
「選書」も楽しい仕事の一つです。
自分が選んだ本を子どもたちが借りてくれた時ほど、嬉しいことはありません。
学校司書は基本的に一人で作業することが多いです。
そのため、自分のペースで仕事をすることができるのも、魅力の一つと言えます。
学校司書はどんな仕事をしているの?
それでは、学校図書館にいる学校司書について簡単に説明します。
主な仕事
図書館の環境整備、貸出返却などのカウンター業務、選書や本の受入装備作業が主な仕事です。
学校司書は、学校図書館を利用してもうらため、本を手に取って読んでもらうために、様々な工夫をしています。
・わかりやすい本の配置や案内
・図書館だよりの発行
・興味を持ってもらえそうな本の選書や展示
など。
本の分類
学校図書館の本の分類は、公共図書館と同じく、日本十進分類法に基づいていますが、それよりも、「この本は子どもたちならどの棚から探すだろう?」と、子ども目線の分類を心がけています。
基本の形はなるべくくずさずに、より子どもたちがわかりやすい、本を見つけやすい配置にしています。
授業での読み聞かせ
読書の時間に、本を借りる前や借りた後に、絵本や紙芝居を読むことがあります。
その本も、季節や興味に合ったものを選ぶようにしています。
文章も長すぎず、短すぎず、子どもたちが集中できる絵本や紙芝居を選ぶようにしています。
読むスピードやタイミングなども、子どもたちの様子を見ながら変えたりして、お話に引き込まれるよう工夫しています。
読書支援
学級文庫(教室で読む本)を選んで貸出したり、選んだ本を教室まで運んだりすることもあります。
授業支援
読書の時間のカウンター業務(返却・貸出・検索・レファレンスなど)
その中でもレファレンスは、学校司書が得意としています。
学校司書が図書館にある本で、触ったことがない本は1冊もありません。
選書・受入・装備や蔵書点検などで、図書館の本を誰よりも触っているのです。
入ってきた本にラベルを貼り、どこに置くかを決めるのも学校司書の仕事。
タイトルを言ってもらえば、どんな本なのかはもちろん、検索しなくても大体の場所がわかるのも学校司書の強みです。
その他、読書の時間(図書館授業)に読み聞かせやブックトークをしたり、学習支援の資料をそろえるなど、先生や授業のサポートもしています。
学校司書とは?
学校司書は、小学校や中学校、高校の学校図書館の管理をしている職員のこと。
大学図書館は学校図書館とは異なるため、学校司書ではなく図書館司書が担当です。
学校司書という呼び名はまだ定着しておらず、図書館指導員、図書館支援員、図書館サポーターなど、様々な呼ばれ方をしています。
学校司書と図書館司書の違い
学校司書は学校図書館の職員、図書館司書は大学図書館や公共図書館の職員です。
図書館司書は国家資格ですが、学校司書という資格はありません。
学校司書の仕事に就いている人は、司書資格を持っている人も多いですが、無資格の人も少なからずいます。
ただし、司書は免許ではなく資格なので、司書資格を持っていなくても、仕事をすることに問題はありません。
学校司書の理想と現実
1つの学校に専任で、正規雇用が理想ですが、実際は非正規(パート)職員が多く、複数校兼任していることが多いのが現状です。
子どもが行きたくなる図書館とは?
ズバリ「読みたい本が置いてある」図書館であること!
これに尽きると思います。
静かな環境で、じっくり本が読める場所であることも大切ですが、そもそも「読みたい本」がなければ、図書館に行こうとは思わないですよね?
子どもたちが、どんな本に興味があって読んでいるのか?
子どもたちと接する中で、学校司書がそれを拾い上げ、本を選んだり先生と話し合いながら、学校図書館を作っています。
学校図書館ってどんなところ?
授業や休み時間に、本の貸し借りをする場所であること。
それ以外にも、調べ学習や授業で必要な資料や情報を提供する場所でもあります。
本を読まなくても、静かな環境でホッと一息つける場所になることも。
学校図書館のイメージ
一昔前の学校図書館は、校舎の奥の部屋にひっそりと存在しており、古くて分厚い本が並んでいて、静かだけどちょっと暗い、そんなイメージでした。
その頃に比べれば、今の図書館は明るく、本の配置もわかりやすくなり、新しい本も多く並ぶようになっています。
しかし、残念ながらまだまだ、というのが正直なところです。
学校図書館の現状
・蔵書冊数が少なくなりすぎないように、古い本を置いておくしかない
・予算が少ないため、新しい本が少ししか買えない
・棚が少なく、本が入りきれない、棚の上に本が積まれている
・子どもたちに人気の本や流行の本は、寿命が短く、痛みも激しい
・パソコンやタブレットの普及に伴って、図書館での調べ学習が減っている
・調べたいことがあっても、資料が少なく、結局ネットで調べるしかない悪循環
などなど、悩みはつきません。
流行の本を入れつつ、調べ学習の資料も入れつつ、古い資料を入れ替えたい。
リニューアルしたいのに、できない・・・
そんなもどかしさを常に抱えているのが現状です。
まとめ
以上、学校図書館で働きたい、学校司書になりたい方に向けて書かせていただきました。
日々の仕事は楽しいけれど、まだまだ認知度が低く課題も多い、学校司書の仕事。
目立たないけれど、日々学校図書館作りに励んでいる学校司書のことを、少しでも知ってもらえたら幸いです。